沈黙の臓器「膵臓」を徹底解明

膵臓は胃の裏側にあることで病気の早期発見が難しいことから「沈黙の臓器」と言われています。

膵臓の役割

 膵臓は胃の裏側でみぞおちの辺りやや背中側に位置しています。膵臓の働きは大きく分けて二つあります。
【内分泌機能】
インスリンやグルカゴンなど血糖を調節するホルモンを分泌
慢性膵炎や膵臓がんなどでこの機能が損なわれると糖尿病を発症したり、急な病状悪化を来たすことがあります。

【外分泌機能】
食べ物の消化を助ける膵液を分泌
アミラーゼは糖質を、トリプシンはタンパク質を、リパーゼは脂質を分解します。
この機能が不十分になると、消化不良や吸収障害を起こし、下痢や体重減少の原因となります。

膵臓からの危険信号を見逃すな!

 急性膵炎の初期症状として、みぞおちや背中の痛みが挙げられます。これが急激に広がるとうずくまるような痛みとなり、意識障害や呼吸困難などの重い症状が出現することもあります。慢性膵炎においては、徐々に状態が悪化するため、気付いた頃には病気がかなり進行している場合もあります。一般的な症状として、重く鈍いみぞおちの痛みやお腹の張り、下痢や脂肪便(便器の中に脂が浮くような便)が見られます。
 膵がんの症状は慢性膵炎と似ていますが、さらに食欲不振や体重減少、黄疸が出現する場合もあります。しかし、初期は無症状であることが多く、症状に気付いたときには進行がんになっていることが大きな問題です。症状を捉えることも重要ですが、それ以上に無症状時に検診を受けることが病気の早期発見につながります。

膵臓に優しい生活習慣を心掛けましょう!

●暴飲暴食や脂っぽい食事を控え、バランスの良い食事を摂る
●適正な体重を維持する
●過度な飲酒、喫煙を控える
 これらの生活を心掛けること、そして定期的な健康診断を受けることがご自身の身体を大切にする第一歩です。初期の膵臓疾患を通常の健康診断だけで捉えるのは困難な場合も多く、膵臓に焦点を当てた検査(熟練技師による腹部超音波検査、MRI、超音波内視鏡など)も必要と考えます。

すい臓がんリスク検査のご案内

すい臓がんの早期発見のために、当院では「すい臓がんリスク検査」を行っています。
【検査内容】
●腹部MRI検査(MRCP)
●すい臓超音波検査
●採血、腫瘍マーカー(CA19-9、DUPAN-Ⅱ)
詳しくはこちらをご覧ください。