飲酒はほどほどに

アルコールとは

日本では、アルコールを1%以上含む飲料のことを「お酒」といいます。アルコールには、エタノール、メタノール、プロパノールなどがありますが、一般的にお酒として飲まれるのはエタノールです。

アルコールの吸収と分解

アルコールは胃で約20%、残りの大部分は小腸で吸収され、血液に溶け込み、はじめに肝臓に送られます。肝臓でアルコールは、「アセトアルデヒド*¹」という有害物質に分解され、さらにアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の働きによって無害な酢酸へと分解されます。肝臓でできた酢酸は、血液を通って全身を巡るうちに水と炭酸ガスに分解され、最終的には体の外に排出されます。

*¹アセトアルデヒド・・・お酒を飲んだときに顔が赤くなったり、動悸や吐き気、頭痛などの原因となる物質

飲酒が原因の病気は多い

・肝臓病(慢性肝炎・脂肪肝・肝硬変など)
・虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞など)
・胆石症
・慢性膵炎
・糖尿病
・脂質異常症
・高尿酸血症
・高血圧
・動脈硬化症
・脳血管障害
・骨粗鬆症
・胃・十二指腸潰瘍
・癌など

様々な病気の原因になります。病気の種類によってどのくらい健康に影響するかは異なりますが、アルコールの飲みすぎには注意しましょう。

賢く飲むコツ

□ 週2日は休肝日を設ける
□ 食事と一緒に摂る
□ おつまみを食べ過ぎないようにする
揚げ物などのカロリーが高いものや味が濃いものは避け、野菜や海藻などが多くとれるサラダや酢の物、大豆製品がおすすめです。
□ 低カロリーやノンアルコールを選ぶ

酔いのメカニズム

飲む量が多かったり、飲むペースが早かったりするとアルコールの分解が追いつかず、大部分のアルコールは心臓に送られ、脳や全身にも運ばれます。アルコールが血液によって脳に到達すると脳を麻痺させ、酔った状態を作ります。また、お酒に対する強さはアルコールを分解する酵素によって決まっています。2型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)が主にアセトアルデヒドの分解に働きますが、分解能力は遺伝子によって決まっているため、分解能力が低い人はお酒がほとんど飲めません。