膠原病・リウマチ内科

特長について

「膠原病」と「関節リウマチ」について

「膠原病」とは、一つの病気の名前ではなく、全身の皮膚や内臓に炎症が生じる様々な疾患の総称です。自己免疫が病態背景にあり、「自己免疫疾患」とも呼ばれます。

「関節リウマチ」も代表的な膠原病ですが、関節症状が主体であり進行すると変形をきたし手術が必要となることから歴史的に整形外科が治療の中心であり、現在も整形外科で治療することが多いです。しかし、関節リウマチとそのほかの膠原病はいずれも自己免疫疾患であり、関節リウマチ以外の膠原病でも関節炎がおきたり、関節リウマチとほかの膠原病疾患が合併することもあります。

また、内科疾患の合併などにより標準治療が困難な場合があります。そういった理由から、近年では膠原病リウマチ性疾患として内科で診断、治療することも増えてきました。一方で、リハビリや関節内注射、関節変形への対応など整形外科との協力が必要不可欠です。

当科では、当院をはじめとして近隣の整形外科の先生方と連携をとり、関節リウマチの診療にあたります。

膠原病疾患に対する当科での取り組み

膠原病は、原因不明で治療法がない「難病」というイメージが強くもたれる疾患です。同じ疾患でも出現する症状の内容や程度が患者さんごとに異なり、日常生活にほぼ支障がない軽症例から、病状が進行し不可逆的な臓器障害をもたらしたり、一旦病状が落ち着いた後再発するケースまでさまざまです。症状が多彩故に診断が難しい場合もあり、それらが「難病」のイメージとなっている所以だと思われます。

しかし、近年では医学の進歩によって生命予後が大きく改善しています。残念ながら、風邪のように治癒するという病気ではありませんが、「寛解(=病気がよくなった状態)」状態を維持することが可能です。また、病気とつきあっていく上では、寛解維持だけでなく臓器後遺症や合併症を出来る限り少なくすることも大切です。

そのために当科では、疑わしい症状や所見がある、膠原病に特徴的な抗体検査の異常があるなどの方に対し、専門医として早期診断、治療に尽力いたします。特殊な治療が必要と判断される重症例や確定診断が難しいケースなどの場合は、速やかに大学病院などの施設と連携をとり早期診断、治療につなげることを心掛けています。また、初期治療が終了し病状が安定した患者さんについては、ご希望により当院で通院治療を引き継がせていただき必要に応じて連携をとってまいります。

診療日

  • 火曜日午前

診察をご希望の方は一度お電話にてお問い合わせください。

担当医師

内科医長井上 有希(いのうえ ゆき)

出身大学
東邦大学 / 平成22年卒
専門分野
内科一般、膠原病・リウマチ
資格
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本リウマチ学会認定リウマチ専門医
  • 日本医師会認定産業医

主な対応疾患

  • 関節リウマチ
  • 全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎、混合性結合組織病
  • 全身性血管炎(顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、結節性多発動脈炎、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎)
  • シェーグレン症候群
  • 脊椎関節炎
  • ベーチェット病
  • リウマチ性多発筋痛症
  • 成人スティル病
  • など