丈夫な骨の育て方

栄養科長 管理栄養士 六車実穂


まずは1日3回、栄養バランスの取れた食事を摂ることが大前提になります。

骨を強くする3つの栄養素

 骨に欠かせない栄養素であるカルシウムを摂っていれば安心ということではありません。カルシウムを体内に吸収し、骨への沈着を促すことが大切です。そのためにはカルシウム以外に「ビタミンD」「ビタミンK」が重要になります。
●カルシウム  骨や歯の主成分になる
 カルシウムを多く含む食品:乳製品、魚介類、大豆製品、海藻類など

●ビタミンD  腸でカルシウムの吸収を高める
 ビタミンDを多く含む食品:いわし、さんま、鮭、うなぎ、干し椎茸など
 ビタミンDは食品から摂るほかに、日光を浴びることで皮膚で生成されます。

●ビタミンK  カルシウムの骨への沈着を助ける
 ビタミンKを多く含む食品:納豆、ほうれん草、モロヘイヤなど緑色の野菜

 その他にカルシウムの吸収をサポートする栄養素として、「たんぱく質(コラーゲン)」「マグネシウム」などがあります。

上手に摂取するには

 せっかく骨に必要な栄養素を摂っても吸収を妨げる食事や生活習慣をしていると骨を強くすることが難しくなってしまいます。
【控えめにしたい食品など】
●リン:カルシウムの吸収を阻害する
    加工食品、インスタント食品、スナック菓子、清涼飲料水など

●ナトリウムやカフェイン:カルシウムの尿中への排泄量を増やす
             加工食品、インスタント食品、スナック菓子、コーヒー、緑茶など

●アルコール:胃腸の粘膜を荒らしてカルシウムの吸収を抑える

●喫煙、運動不足などの生活習慣

乳糖不糖症

 日本人は牛乳に含まれる乳糖を分解できない「乳糖不糖症」の人が多く、牛乳を飲むとお腹を下す人もいます。牛乳アレルギーとは違うため摂取は可能です。牛乳を温めると腸への刺激が弱まるため症状が出にくくなります。また、乳糖を分解した牛乳も販売されています。乳製品の中には乳糖の少ない食品もありますので、上手く活用して無理なく摂取してみましょう。