子どもの“斜視”に対する視能訓練の必要性

 「間欠性外斜視」は、元々、視力や両眼視機能は良好であることが多いですが、外斜視になる頻度が多くなり機能が低下してくると、ボール遊びや平均台などが苦手になりやすいです。大人の場合、物が二つに見えてしまったり、頑張って両目で見ようとしてもはっきり見えなかったりすることもあるため、日常生活に支障が出てしまいます。
 治療法としては、屈折異常を矯正した眼鏡・プリズム眼鏡*¹の装用、視能訓練、斜視手術の三つがあります。

*¹プリズム眼鏡…視線がずれることによる斜視、眼精疲労が伴う斜位がそのままの状態であってもプリズムレンズ(光の進路を屈折させることができる)を使用することで見え方を補正することができる矯正レンズ

視能訓練の種類

外斜視の角度が大きくない場合、両眼視機能の働きを強化したり、外斜視になる頻度を減らし、目の位置が正常な状態を長時間保てるようにしたりするために訓練を行います。

抑制除去訓練
 まず「抑制」を取り除く必要があります。外斜視によって本来は二つに見えていることを脳に正しく認識させることで、両目を使って物を一つに見る力を強化する基盤を作るためです。この訓練の最終目標は、「外斜視の時に物が二つに見える状態にすること」です。
 暗い部屋や明るい部屋などで、外斜視になっている目に対して光の刺激を連続して与え続けます。つまり、「抑制」により上手く働いていない外斜視の目に「ちゃんと働いてくださいよ~」と繰り返し伝え続けるような訓練です。

輻湊訓練
 物を見た時に目を内側に寄せる力を鍛え、両目で同じ物を見ることが出来るようにします。そうすることで、脳に両目で見ることが当たり前であることを認識させます。

融像訓練
 物を見た時に目を内側に寄せる力を鍛えると同時に、両目で見た物を頭の中で一つにまとめて見ることができるようにします。最終的には、日常生活で目が外にずれにくくする効果が期待できます。

ただし、これらの訓練は視能訓練士の指導のもと、通院しながら行っていきますので自己判断で実施しないようにしてください。