院長挨拶
皆さん、新年おめでとうございます。
今は新型コロナ感染症の第8波の真っ只中で、地域での感染者や院内の患者さんの対応に加え、家庭内での感染による職員の欠勤によって当院が本来提供すべき医療機能の維持が困難な状況が続いています。それでも、医師、看護師をはじめ、多くの職員が何とか皆で協働し合い、この感染症と共存する医療の現場で、地域の皆様に適切な医療を提供できるよう頑張っているところです。当院の職員の団結した対応に院長として感謝しています。
さて、コロナ禍での医療提供体制では、医療機能の役割分担が不明確で、連携が不足しています。それにより医療機能は分散し、地域での医療提供に不備を生じていることが指摘され、これはコロナ禍以前からの日本の医療の構造的課題と言われたものでした。したがって、今後の地域医療は、感染症対応以外にもこうした病院ごとの機能や役割の明確化、そしてその連携による地域完結医療を提供することが重視されています。
具体的には、紹介患者を中心に入院医療に特化した、主に400床以上の大規模病院に高度急性期医療を集約化する。一方で地域での一般的な疾患に対する診療や相談機能を持つ、地域のかかりつけ医として、主に200床以下の地域密着型多機能病院という存在。そういった役割分担の明確化が誘導されています。単独の病院完結ではなく、複数の病院で地域完結型医療を提供する。そうした流れが急速に進行しています。
また、今後迎える超高齢化社会では、医療に求められる役割が大きく変化します。医療の目的は「治す医療」から「治し、支える医療」となり、生活の質を重視し、生活を犠牲にしない医療が求められます。「治す」に特化した高次機能・専門治療機能、他方では「治し、支える」を担う在宅医療・地域医療を支える機能の担い手という二つのベクトルが生まれています。さらに、「治し、支える」は医療だけでは実現できないため、医療・看護・介護・生活支援、包括ケアが必要となり、多様な専門職種の連携・協働による地域包括ケアネットワークの実現が必要です。
当院は、整形外科、消化器病(外科・内科)、眼科、小児科など、強みのある専門領域では、高いレベルの専門医療を提供すると同時に、紹介状なしで受診できるかかりつけ医機能を持つ地域密着型病院としての役割を担うべきと思っています。受診を断らない。地域の皆さんにとって身近な病院で、高齢者に優しい病院でなければならないと考えています。
コロナの収束は全く不透明で、当面この感染症と共存する世の中になっていくと考えていますが、当院は今年も地域の皆様に身近な存在として地域医療を支えていくことを使命としています。今年も当院をよろしく願いします。
香川県済生会病院 院長 若林久男
2023年1月
理念
香川県済生会病院の理念
患者さまのために、地域のために、そして職員のために存在する病院
基本方針
- 思いやりを持って患者さまに尽くし、患者さまから信頼される病院となります
- 地域に根差し、地域の一員として認知、信頼される病院となります
- 高齢者医療、地域医療、がん医療、急性期医療、そして予防医療をリードする病院となります
- 常に変革を行い、またその能力を持つ病院となります
- 研究心、向上心を持ち、活力にあふれる病院となります
- 職員の働く環境の良い病院となります
患者さまの権利と責務
当院では、患者さまの以下の権利を尊重いたします。
- 安全で質の高い医療を公平に受けること
- 十分な説明と情報提供を受けること
- 説明を受けたのちに、検査や治療方針を選択すること、あるいは拒否すること
- 他の医療機関の医師にセカンドオピニオンを求めること
- 患者さま自身のプライバシー、個人情報について保護されること
また同時に以下の責務を患者さまにお願いいたします。
- 患者さま自身の健康に関する情報を正確に提供すること
- 医療従事者の説明を理解しようと努め、十分理解できるまで質問をし、納得して医療を受けること
- すべての患者さまが適切な医療を受けられるように、病院の規則を守ること
- 受けた医療等に関する医療費は、出来るだけ速やかにお支払いいただくこと
子どもの権利
理念
私たちはいつも何が子どもにとって一番大切かを考えて医療を提供します
子どもの権利
- 子どもは、安心できる環境のもと、思いやりのある最良の医療を受けることができます
- 子どもは、親や親に代わる人と一緒に過ごすことができます
- 子どもとその家族は、いつでもプライバシーが守られ、個人情報が保護されます
- 子どもとその家族は、病気のことや検査・治療について年齢や理解度に応じた十分な説明と情報提供を受けることができます
- 子どもとその家族は、医療について自由に意見し自ら医療を選択あるいは拒否することができます
- 子どもは自分で自分の健康について決めることができないとき、代わりに家族に決めてもらうことができます
- 子どもとその家族は、自分の診療記録の開示を求めることができます
なでしこ紋章の由来
初代総裁・伏見宮貞愛(ふしみのみやさだなる)親王殿下は、明治45年、済生会の事業の精神を、野に咲く撫子(なでしこ)に託して次のように歌をお詠みになりました。
霧にふす 末野の小草 いかにぞと あさ夕かかる わがこころかな
-野の果てで、霧に打たれてしおれるナデシコのように、生活に困窮し、社会の片隅で病んで伏している人はいないだろうか、いつも気にかかってしかたがない-
この歌にちなんで、いつの世にもその趣旨を忘れないようにと、撫子の花葉に露をあしらったものを、大正1年以来、済生会の紋章としています。
概要
名称 | 社会福祉法人恩賜財団済生会支部 香川県済生会病院 |
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所在地 | 〒761-8076 香川県高松市多肥上町1331番地1 |
管理者 | 院長 若林 久男 |
病床数 | 198床【一般病棟98床、地域包括ケア病棟50床、療養病棟50床】 |
標榜診療科 | 内科、消化器内科、循環器内科、内視鏡内科、糖尿病内科、腎臓内科、人工透析内科、膠原病・リウマチ内科、脳神経内科、外科、消化器外科、内視鏡外科、整形外科、小児科、皮膚科、泌尿器科、眼科、麻酔科、リハビリテーション科、放射線科 |
受付時間 | 月~金曜日 8:30-11:30 13:30-16:00 |
休診日 | 土曜日、日曜日、祝日、年末年始 |
医療機関の指定等について(医療法に基づく表示) |
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その他の指定等について |
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救急医療 |
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基本診療科の施設基準 |
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特掲診療科の施設基準 |
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学会認定施設 |
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関連施設 |
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令和4年6月1日現在
沿革
- 明治44年5月
- 恩賜財団済生会設立
- 明治44年5月
- 観音寺市に假施薬院発足
- 大正3年2月
- 活動は内務省から香川県知事に委嘱
- 昭和2年8月
- 島嶼部の巡回診療開始
- 昭和6年7月
- 済生会香川県支部発足
- 昭和18年4月
- 高松市桜町に診療所開設
- 昭和20年6月
- (病床数25床)
- 昭和20年11月
- 病院に昇格
- 昭和26年8月
- 公的医療機関に指定される
- 昭和27年5月
- 社会福祉法人となる
- 昭和28年4月
- 病棟増築(木造平屋建)
- 昭和28年7月
- (病床数61床)
- 昭和31年6月
- 病棟増改築(木造2階建)
- 昭和31年7月
- (病床数107床)
- 昭和37年10月
- 瀬戸内海巡回診療船「済生丸」診療活動開始
- 昭和38年1月
- (病床数141床)
- 昭和38年4月
- 本館増改築(管理・診療病棟、鉄筋コンクリート地下1階地上3階)
- 昭和46年3月
- 本館増築(病棟、鉄筋コンクリート4階)
- 昭和49年1月
- 本館増築(職員宿舎、鉄骨5階)
- 昭和51年6月
- 本館増改築 (管理・診療・病棟、看護師寄宿舎、鉄筋コンクリート地下1階地上6階)
- 昭和55年4月
- (病床数170床)
- 昭和63年10月
- (病床数200床)
- 平成元年11月
- 検査棟、管理棟新築(鉄筋コンクリート4階建)
- 平成6年4月
- (病床数198床)
- 平成11年7月
- 本館5階改修、人工透析室拡充
- 平成11年12月
- 訪問看護ステーションなでしこ開設
- 平成12年2月
- 指定居宅介護支援事業所なでしこ開設
- 平成16年4月
- 高松市多肥上町に新病院移転(病床数198床)
(鉄筋コンクリート地下1階、地上7階建)
(敷地面積9,148.47平方メートル、延床面積12,726.40平方メートル)
院内保育施設(定員30人)及び職員宿舎(7室)整備
(敷地面積532.43平方メートル、延床面積460.00平方メートル) - 平成17年10月
- 特別養護老人ホームなでしこ香川(ユニット型)開設
(定員:特養50人、ショート10人、デイサービス30人)
(鉄筋コンクリート4階建)
(敷地面積8,992.58平方メートル、延床面積4,658.78平方メートル) - 平成19年1月
- 香川医療福祉センター設置
- 平成26年12月
- 職員駐車場整備(敷地面積2,444平方メートル、84台分)
- 平成27年12月
- 病院機能評価認定
- 平成30年5月
- 入退院支援センター開設
- 令和元年6月
- 地域包括ケア病棟開設
宗教的輸血拒否に関する当院の基本方針
当院では、宗教的輸血拒否を希望される患者さまについては以下を基本方針とします。
- 当院では、輸血を拒否する患者さまに対しては、できるだけ無輸血での治療を真摯に追及することを原則としますが、輸血なしでは生命の維持が困難となった場合には輸血を行う(相対的無輸血)方針です。すなわち「絶対的無輸血の拒否」を基本方針としています。
- 「宗教的理由による輸血拒否」は患者さまの権利としてあくまでも尊重し、輸血以外の治療手段の提供に努力します。ただしこの場合も、輸血を行う可能性がある場合には相対的無輸血の了承を前提として治療を開始いたします。
- この方針が受け入れられない患者さまには転院をお勧めします。
- 以上の立場から、患者さまご本人やご家族から提出された「輸血謝絶兼免責証明書」は受け取りません。
- 上記の立場についてはホームページ上で公開いたします。